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国内展示|2019年

初個展『Shed』|2019


初個展『Shed』
●期間:2019年3月12日~17日
●会場:GALLERIA オリザ(北海道帯広市大通り南6)
●展示作品:写真・クレヨン画等約30点の展示
●メディア:十勝毎日新聞掲載


2019年3月 十勝毎日新聞掲載
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展示テーマ『Shed』について

今回の個展のテーマは、『shed』です。 『shed』には、「内側からエネルギーを噴出させる」という意味と、もはや必要なくなったものをそぎ落としていくという「しなやかな破壊を伴った門出」という意味があります。
改めて、私の名前は「めばえ」といいます。春の時期に新しい芽吹きが生まれる、発芽。土の下から芽を出すには、水分・酸素に加えて、温度と光が不可欠です。地球のエネルギーを吸収して種子の中にたくわえ根を伸ばし、発芽するときに一気にエネルギーを放出します。

発芽と脱皮は、似ています。自分を縛っている硬い殻の中にいたままだとそれ以上大きくなることができないので、古い殻を脱ぎ捨てる。それが脱皮です。どちらも、今の自分がもっと生きやすくなるための、等身大の生へと向かう過程。自分の身体や固定概念、言葉、構造的な抑圧などの、知らない間に自分のエネルギーを中へと閉じ込めているものがある。私は、身体から、固定概念から、社会的な抑圧から、自分から、それらすべての自分を縛るものから、解放されたいと思うようになりました。抑圧に苦しくなってたまらなくなったとき、クレヨンの色は、私のこころを規定せずにエネルギーを外へと放出させてくれました。

正しいとされていることは、本当に正しいことなのか。社会的につくられた概念を信じることで幸せになれるのか。私が「自分」になるためには、ひとつひとつ疑い、解(ほど)いていく必要がありました。自分自身のぐちゃぐちゃした気持ちや、抑圧された感情と向き合う中で流した涙。生きるということの強烈な喜びと、他の誰でもない、死ぬまで「自分」と一緒に生きるということの覚悟。クレヨン画の作品には、言葉にできなかったその瞬間瞬間が詰まっています。

エネルギーを放出していく過程を経て、新芽が生まれるのだとしたら。私が感じた抑圧も、葛藤も苦しさも、脱皮のための、発芽のための、大事なエネルギーだったのだと思えるような気がするのです。春。新しい「めばえ」を迎えるにあたって、しなやかな破壊を経て「芯」だけが残る。そんな思いを込めて、今回の個展のテーマに「shed」を選びました。改めて今日は、見つけてくださりありがとうございます。最後に、人生最大の教材があるのだとすればきっとそれは自分自身であり、自分に起きた問題を解(と)いていき、等身大の生へと向かう過程が人生なのだと思います。

2019年3月 佐々木 めばえ